串本海中公園

串本沿岸海域には、大規模なサンゴ群集が生息しています。特に、串本海中公園で見られるテーブルサンゴの群生は、世界で最北に位置しています。
串本町大島では、日本ではとても珍しいオオナガレハナサンゴの国内最大群生地も見つかっており、このような他では類を見ないサンゴ群集が評価され、2005年11月串本沿岸海域がラムサール条約に登録されることとなりました。
1971年、イランのカスピ海湖畔の町ラムサールにおいて「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が制定されました。これが「ラムサール条約」です。
串本は位置的にみると本来ならサンゴよりも海藻がよく生える温帯の海に属します。しかしながら、串本はすぐ沖合を流れる黒潮によって、赤道付近から暖かく澄んだ海水が大量に運ばれてくるため、とりわけ暖かい環境が作られいます。そのため、沿岸では熱帯性の生物が豊富に見られます。その代表がサンゴで、串本の浅い海岸には熱帯の海に勝るとも劣らないくらいのサンゴが生息し、世界で最も北にあるサンゴの海をつくり出しています。このような串本の海の特異性が評価され、ラムサール条約に登録されました。

串本海中公園の水族館は、串本の海にすむ約500種・5000点の生き物だけで作られた、ここだけの水族館です。たくさんのサンゴの中を色とりどりの熱帯魚など泳ぐ水槽「串本の海大水槽」や、水族館生まれの赤ちゃんから100㎏以上の大きなウミガメまでたくさんのウミガメと触れ合える「ウミガメパーク」、サメやクロマグロなどの大型の回遊魚が泳ぎ回る「水中トンネル水槽」など、見どころがいっぱい！

エサやりトークショーや子ガメタッチングなどのイベントも開催されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

沖合140mの位置に佇む小さな建物は「海中展望塔」。この展望塔の周りには、天然のメジナの群れが集まってきます。エサをあげることもできますよ。
中に入って下っていくと、水浸6.3mの海中の様子を見ることができます。サンゴの海の中を魚たちが泳ぎまわる姿はどこか幻想的。網や仕切りなどはなく自然に集まっている魚たちなので、季節や日時によって見ることのできる種類、数が違います。行くたびに違う顔を見せてくれる魚たち。会いに行きたくなりますね。